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地域で作る!手のひらパソコン'IchigoJam'を使った小学校プログラミング授業

本授業は、ものづくりを通して「プログラミング的思考の理解」を目的とした、プログラミング学習カリキュラム案です。小学5・6年生の理科・図工・総合学習の時間に取り入れられることを想定し、プログラミングでのゲームの作成や、簡単な電子工作によるオリジナルロボットの作成を軸に、作品発表までを取り入れた内容となっています。作品の大きなテーマは地場産業。地場産業をテーマとすることで、身近なものづくりへの興味関心を高め、地元の素晴らしさを再認識することができます。

本授業では子ども向けプログラミング学習ツールとして、“IchigoJam”を使用します。IchigoJamは、名刺サイズのマイコンボードで、初心者でも簡単にプログラミングができるよう、BASICをプログラミング言語として採用しています。
IchigoJamを使ったプログラミングは、キーボードのタイピング練習ができることに加えて、様々な電子部品(LEDライト、モーター、光センサーなど)を組み合わせて使うことができるので、画面の中にとらわれず、実際の生活の中の身近な家電などとの比較といった学習も可能です。

今夏、福井県鯖江市で行われたモデル授業では、福井県鯖江市の地場産業である「メガネ」をテーマに、「メガネふきロボット」作成に挑戦しました。福井県鯖江市は眼鏡の産地として全国的に有名で、国内生産の90%を占めているからです。こうした地場産業を自由に取り上げて、地域や学校ごとに作品テーマを設けてください。

このサイトでは、福井県鯖江市で実施したモデル授業をもとに、どのような授業ができるのかをご紹介します。

2017/12/1
事業紹介ページとしてリニューアルしました。 NEW!
2017/12/1
指導者用予習ガイドを公開しました。 NEW!
2017/7/18
参加者の募集を延長しました
2017/7/7
見学者の募集を開始しました
2017/3/30
総務省による「若年層に対するプログラミング教育の普及推進に係る提案公募」に選定されました

IchigoJamとは?

手のひらにのせられる大きさの、プログラミング専用こどもパソコンです。テレビとキーボードをつなげば、すぐにプログラミングを始められます。インターネットにはつながらないので、難しい設定は必要ありません。
初心者向けプログラミング言語BASICを使っているので、大文字アルファベットを使いながらのプログラミングが可能で、気軽にプログラミングを体験できます。

IchigoJam 公式サイト

使い方につきましては下記もご参考ください。
PCN YouTube 公式サイト
IchigoJam 公式サイト / 組み立て方・説明書・読み物

1限目 はじめのいっぽ

実際にIchigoJamを操作しながら、学習していきます。プログラミングとは、プログラミングの考え方とは、また、身の回りにあるプログラミングを考える、といった内容を通して、プログラミングの基本を学びます。

使用する教材IchigoJamを操作しながらプログラミングの考え方を学んでいきます。はじめに、IchigoJamが起動するようにセットします。画面(テレビ)とキーボード、電源の3つをIchigoJamに接続します。これで、一般的なパソコンがどんな構造になっているのか、知ることができます。(図1)

起動した後、プログラミングの基本を学びます。IchigoJamがどんなコード(命令)を知っているのか、知らないコードを打つとどうなるのか試してみます。(図2)
次に、LEDを光らせたり、消したりするプログラムを作成します。この時、プログラミングの命令の順番を考えるため、カトラリーカード(ほんやくカード)を活用します。(図3)
最後に、身の回りにある家電や最新の便利なロボットを紹介して、生活の中にプログラミングによって動作するものが多くあることを、実感してもらいます。

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2限目 ゲームをつくろう

ここでは、遊びを取り入れてプログラミングを学びます。ゲーム作成を通して、四則演算、座標や変数・ランダムといった、数学的な知識を含んだ内容を学習します。

ゲーム作成に必要なプログラミングコードを一つ一つ紹介しながら、最終的に矢印キーを使って敵キャラをよけるゲームを作ってみます。(図4 敵キャラ:♪)
また、このコードの各所に入っている数字を変更して、敵キャラの動く速さや、出現する位置などを児童各自で変更していくことで、周りとは違ったゲームになっていきます。(図5)
こうした経験を通して、プログラミングは作り手が調整を行えるもの、調整によって楽しさや難易度が変わるものだということを体験します。

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3限目 IchigoJamかくちょう

電子部品を使った工作と、それらのプログラミングについて学びます。これまではプログラミング(ソフトウェア)を中心に学習してきましたが、電子部品(ハードウェア)も登場し、ロボット作成の要素技術の操作を行います。

IchigoJamは、様々な電子部品を取り付けることができます。3限目では、サーボモーターと光センサーを新たに取り付けて制御する方法を学びます。サーボモーターは指定した角度まで回転します。光センサーは、明暗を見分けて値を返します。(図6)
ここで、様々な電子機器がプログラムによって動作することを実感し、ものづくりに対する興味関心を引き出します。

まずは、IchigoJamとサーボモーターをケーブルで接続していきます。
さらに光センサーを接続しますが、込み入った接続となるため、ブレッドボードを使います。ブレッドボードとはソケット(穴)に部品を差し込むだけで電子回路の試作・実験ができる板です。(図7)
接続後、実際にプログラミングして動かしてみます。

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4限目 メガネふきロボットをつくろう

3限目で使った電子部品を自由に組み合わせて、児童オリジナルの『ロボット』を作成します。どんな悩みを持った人がいて、その悩みをどうやったら解決できるのかをロボットに盛り込むことを目指します。作品テーマのみを与え、あとは、どんな形にするのか、どんな動きをするのか自身で考えて作品にします。
今回のモデル授業では、作品テーマを『メガネふきロボット』としました。

4限目は、作品作成の時間となります。まず授業の最初に作品テーマを与えます。どんな人の困ったを解決する便利アイテムを作れるのか、アイデアシートに書き込みます。
作成にあたって、新たなロボット工作用のカトラリーカードが登場します。1限目同様に、プログラムを組み込む前に、ロボットの動作の順番を考えます。

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5限目 発表会

作ったロボットを1人ずつ発表していきます。どんなロボットであるのか「特徴」「工夫した点」「次回に向けた改良点」などのポイントで伝えてもらいます。さらに、周りの友達の作品についても知ることで、自分の作品と比較したときに、新しいアイデアや次の創造意欲につながります。

最後は発表の時間です。クラスメイトの前で1人あたり2から3分ほどの作品紹介をしてもらいます。授業のはじめに5限目用のプリント(ワークシート式)を使って、紹介する内容(特徴・工夫した点・次回に向けた改良点など)をまとめてもらいます。
他の人の発表中は、メモを取りながら聞き、自身の作品の改良ポイントの参考としてもらいます。

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これまでの「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業への取り組み

協力

株式会社ナチュラルスタイル  鯖江市神明小学校  鯖江市鯖江東小学校  鯖江市教育委員会  鯖江市役所  福井新聞社

後援

福井県教育委員会